不揃いバウムの件でインターネットが盛り上がっていた。私は投稿者の意見にそれなりに共感していたので、多方面から袋叩きにあっている様子を見て柄にもなくそわそわして、つい書き始めてしまった。こういう赤マスイベントを避けるためにインターネットから離れていたのに……。戻ってきてしまったばかりに……。
私は産休前の挨拶に実際に不揃いバウムを持ってこられたら、ほとんど反射的に「不揃い」という商品名の中でも最も強い印象を与える言葉を対象に脳内で連想ゲームが始まり、何らかのメッセージを読み取ろうとするだろう。今回は投稿を読んでからほんの数秒で「自分の産休で部署のメンバー不揃いってか。この人、皮肉が上手だな」という感想に至った。センスがないというかあんまり考えていないんだろうなと感じて、この時点で渡してきた人に対する評価が一度マイナスに寄る。追って私は不揃いバウムを買って食べた記憶を引き出して「名前のインパクトほど安くはないけど美味いは美味い」ことを思い出したため、最終的にプラマイゼロで終わることができた（宇治抹茶バウムを確保出来たらプラスに寄る）。
つまり私も不揃いバウムの知識が不足していたら同様にモヤモヤを抱えたままでいた可能性が高い。幸い出来事への不満をSNSに煽るような文章で投稿してしまう生き方の下手さまでは持ち合わせていなかったので炎上は回避できたが、根っこの部分では投稿者と同類であったのだ。
同類故の推測をさせてもらうと、投稿者は普段から言葉の感度が高い人間である。制御不能の自動言語センサーを毎日稼働させて、色々な他者（特にもともと好ましく思っていなかった相手）の言動の言葉尻を捕らえてはストレスを感じているに違いない。誠に同情する。もう少しセンサーがポンコツなら良かったのにね。「不揃いバウムの品質は良い！貰ったら嬉しいでしょ」という全くの見当違いな意見で叩いている読解力の低い鈍感な人になりたい……そして幸せに生きたいよな……。
というわけで、自身が現代インターネットのマイノリティであることを改めて自覚してしまった。連休の始まりとしては最悪だ。段位戦がプラスでなかったらブログもXアカウントも爆破していたかもしれない。
普通にそっちに傾いた方が良かったのかもしれないな……。
